財団法人 かながわ健康財団

海気浴ウォークでリフレッシュ

人は1日のうちに、どのくらいの空気を吸うのか考えてみたことがありますか。

1日の呼吸の数は、睡眠中もあわせて実に2万数千回から3万回。1日に吸う空気の量は平均で約1万1000リットルともいわれます。

もちろん運動をすれば心拍数が上がってもっと多量になります。せっかくこんなにたくさんの空気を吸うのですから、 きれいで美味しい空気を吸いたいもの。 フィトンチッドをたっぷり含んだ森のウォーキングが人気があるのもうなずけます。

森林浴とともに、健康に良い効果をもたらすといわれるのが海気浴です。文字通り、海気を浴びながらくつろいだり、 ウォーキングしたりすることをいいます。

海気にはヨードがたっぷり

海気にはヨードと呼ばれる成分が含まれています。ヨードは海藻や魚介類に多く含まれるミネラルで、甲状腺ホルモンの生成に欠かせないものといわれています。 鎖骨の真上にあるのが甲状腺。喉ぼとけのように、ものを飲み込むときに上下します。甲状腺ホルモンが欠乏すると、血中コレステロールが増加したり、疲れやすくなったりすることがあり、便秘や体重増加の原因にもなるといわれています。また幼児期に欠乏すると、発育不全を引き起こす危険性があるとの報告も。

海藻や魚介類を常食にしている日本人には比較的不足することはないといわれますが、昨今の食生活の中で少々気になるのがこのヨード。美しい浜辺を歩いて、まず体脂肪を燃焼し、同時にヨード成分の補給もしてしまおうというのが海気浴ウォークです。

浜辺のウォークは効能いろいろ

ヨード成分の吸収ともに、潮風や磯の香りを吸いながら歩くことは、神経の高ぶりを抑える効果もあるといわれています。自然の美しい造形美を見ながら歩けば、日々のストレスもどこへやら。もちろん、深呼吸しながら歩けば、酸素が効率的に体脂肪を燃焼させてくれるといううれしい働きもあります。

砂浜を歩けるところでは、できるだけ砂浜を歩くのがおすすめです。足をとられやすい軟らかい砂浜を歩くと、普段のウォーキングでは使わない筋肉を使うことにもなります。

またアスファルトの硬い地面ほどかかとや膝に負担がかからないという利点もあります。欧米では最近ストックを使って上半身も鍛えながら歩く「ノルディック・ウォーキング」が人気を集めつつあり、日本でも砂浜でストックを使って歩く「砂浜ノルディック・ウォーキング」が研究されているほどです。

また、たっぷりの太陽を浴びながら歩けば、カルシウムの吸収にも役立ちます。ただし紫外線の多いこの時季、鍔の大きな帽子をかぶったり、手拭いを活用するなど、日焼け対策は十分にとりましょう。

弓なりに彼方まで続く白浜や、荒々しい岩礁。海の景勝地の多いのも神奈川県ならでは。きれいな貝殻を探すもよし、童心に返って水際で戯れるもよし、食材を求めて歩くもよし。

本格的な夏到来。海気浴ウォーキングで元気なからだを作りましょう。