がん対策

がん教育

小学生のうちから、がんに対する正しい理解と喫煙をはじめとするがんを予防する生活習慣について、学び、命の大切さに対する理解を深めるために、小学校向けがん教育を実施しました。
また、「がんを知ろう」リーフレットを作成し、県内小学校928校の6年生全員に配布しました。
リーフレット はこちら から参照して下さい。(PDF)

★がん教育についてはこちら 日本対がん協会<がん教育

モデル事業の実施

<小学校児童を対象とした授業の様子>
平成30年度のがん教育は、藤沢市立本町小学校6年生4クラスを対象に平成31年2月8日(金)に実施。講師は公益財団法人日本対がん協会参事の望月 友美子医師。
 授業のタイトルは「がんてな〜に?がんに負けない社会をつくるには」。今二人に一人が生涯にかかるということで、がんが増えている。がんは身近なものだが、みなさんに若いうちからがんについて知って欲しい。そして、できればがんにならない生活、なっても大丈夫という世界を作るために活動している、ということで、地元藤沢市について触れながら、授業を開始。
 はじめに、たばこに含まれる化学物質について、また海外のたばこのCMで喫煙の恐ろしさに触れた。
 次に、がん細胞とはなにか、設計図(DNA)に傷がつくからがんになること、その性質(がん細胞はとなりの細胞と会話ができないため、異常に増殖する)、がん細胞とたたかう体内の機構(免疫細胞)について、人気アニメの「はたらく細胞」や、ブロックのLaQを使って分かりやすく解説。免疫細胞ががん細胞を排除しきれなくなったときにがん細胞が増殖をはじめる。がんは5〜20年かかって増殖すること、1cmくらいになると見つけられるので、早期発見が重要と話された。
 また、がん予防のための生活習慣と検診の重要性について触れ、最後に、「健康」の語源は「全体」、からだ・こころ・精神・社会、すべてが良好な状態であり、お互いに支え合って健康になっていくということ、子どものころからできることとして、よい生活習慣を身につける、がんの原因で避けられる危険を避ける、がんになった人の気持ちを理解して支える力を身につけよう、として締めくくり、講義のあとグループに分かれて「自分のためにできること」「家族のためにできること」を話し合って、発表を行った。
望月先生授業風景
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【グループによる話し合いと発表】がん予防のためにできることは何だろう

自分のためにできること、家族のためにできること、二つのテーマでグループごとに話し合い、発表を行いました。
《アンケート記載内容(抜粋)》

アンケートから、大半の生徒ががん教育において喫煙の恐ろしさを学び、「自分は吸わない」、「家族・まわりが吸っていたら注意する」などという感想が多く記載されていました。また、生活習慣の乱れについての記載や、家族への呼びかけを行うなどの記載もありました。具体的な内容は以下のとおりでした。

・親やおじいちゃんおばあちゃんに、たばこを吸っていたりお酒を飲んでいたりするから、やめさせたり、健康しんだんに行かせる。

・がんは死んでしまう病気、どうしようもない。と思っていたら、なおるかもしれない。ということをしって、ちょっと安心した。

・がんについては少し知識があったので楽しかった。がんにならないために、自分でできること、家族でできることを実行してみようと思った。(私のお母さんががんなどに詳しいので、たくさん話ししたいと思った)

・がんはめんどくさい病気だと思った。鉄砲とがんは人を殺すし、名前も同じ(鉄砲は英語でガンともいうから)だから同じものだと思った。

・もし、友達でがんになってしまった子がいたら、一緒に運動とかしてあげることはとても大切だと思った。

過去のがん教育実施状況

平成29年度 『小学生からのがん教育』

国のがん対策基本計画(平成24年6月)では、「子どもに対しては、健康と命の大切さについて学び、自らの健康を適切に管理し、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識を持つよう教育することを目指し、5年以内に、学校での在り方を含め、健康教育の中で「がん」教育をどのようにすべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とする」こととされています。
そこで、当健康財団では、それに先駆け以下のような目的のもと「小学生向けがん教育」モデル事業を平成29年度に実施いたしました。

がん教育 日時・内容

授業開催日時:平成29年12月4日(月) 
開催場所:開成町立開成南小学校6年生3クラス合同
内容:がんを学ぼう!

【講演】医療法人 森と海 メンタルホスピタルかまくら山 精神科 医師 原田 久 先生

【講話】がん体験者の方
「がんを体験して・・・」
元朝日新聞記者 三船 剛由 氏

がん教育の授業風景

【講演】がんを学ぼう!
 講師:医療法人 森と海 メンタルホスピタルかまくら山 精神科 医師 原田 久 先生
原田医師は、はじめに毎年36万人の人ががんで亡くなっており、年間死亡者数約130万人のうち3〜4人に1人ががんで亡くなっている、がんの予防のことを知ってほしいという投げかけから始まった。前半では、細胞ががん細胞となるまでのプロセス、がん検診の重要性、神奈川県及び開成町のがん死亡率、がんと診断された時に相談できるがん拠点病院などを三段階の予防プロセスに落とし込んで具体的に説明された。後半は、喫煙開始年齢の調査結果をもとに、20歳位までに9割の人が吸い始めているとし、喫煙・受動喫煙によるがんへの影響、喫煙による依存性の怖さなどについて動画などを用いて解説された。最後に、がん予防として、「喫煙しないこと」、「もし、お父さんやお母さんなど喫煙している人がいたら、家族を大切だと思っている気持ちをしっかり言葉で伝え、やめるよう伝えてください」と話されていた。
【講話】がんを体験して・・・
 講師:元朝日新聞記者 三船 剛由 氏
三船氏は、自分自身の記者人生を振り返りながら話をされた。30代後半にがんになり、主治医から「がんは20年かかってできています」と説明があり、寝る暇なく働いたこと、暴飲暴食が続いたことなど生活習慣の乱れ、受動喫煙の影響などががんになった原因だったのかもしれませんと話されていた。今だから言えることとして、「野菜や果物を多く食べること」、「睡眠をしっかりとり生活リズムを整えること」「ストレスをためないこと」など、小さな積み重ねが細胞に影響してくることから、気をつけてほしいと話された。また、がんに罹患してから仲間によって「声をかけてもらって不安が解消し励まされたこと」、「支えられたこと」についてふれ、仲間を大切にすることを話された。最後に、がんになって、がんの活動、リレーフォーライフにも参加するようになったことや、がんになって死ぬことは考えたが、自分で死ぬことは考えなかった。これから中学・高校を良い人生を送ってくださいとメッセージが送られた。
【グループによる話し合いと発表】がん予防のためにできることは何だろう

自分のためにできること、家族のためにできること、二つのテーマでグループごとに話し合い、発表を行いました。
《アンケート記載内容(抜粋)》

・がんは2人に1人が経験し、日本人の死亡率1位の病気と知って私にも関係ある、身近な病気だと知った。がんは進行するとなおる確率が下がってしまうらしい。がんを防ぐには、生活習慣を整える・定期的に健康診断をうける・不安をなくすというもの・特にがんになりやすいタバコは大人より子どもがねらわられていると聞いた。私は絶対にタバコは吸わないようにする。このように、がんはおそろしい病気だけれど自分の行いが原因でなることが多い。このことを家族に伝えて、タバコのおそろしさと、がんの防ぎかたを広めていこうと思う。がんはむずかしそうなものだけど、わかりやすく説明してもらってよかった。
・病気を予防するためには、体を動かし、バランスの良い食事をすることが大切だと思いました。小さいころからたばこを吸うと病気にかかり、大人になるまでずっと吸い続けてしまうという危険がありました。吸っている本人は吸うことによって助けられていると思っているけど本当はとても危険な方向に進んでしまうことが分かりました。何回か健康診断を受けることの大切さを学びました。
公益財団法人 かながわ健康財団
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