はじめに
腰痛 とくに「ギックリ腰」は、ドイツでは『魔女の一撃』と呼ばれています。
脊椎は身体の軸であり、とくに腰椎は上半身の体重を支える最強の支持組織です。
たとえば、5kgの米袋を持っただけで、姿勢によっては300〜400kg近い加重が腰椎に加わることがあります。
しかし、腰椎はとても頑丈な組織ですから、このくらいの負荷には対抗できます。
ところが、座る、立つ、歩くなどの生活動作が、ときとして腰椎とその周辺に偏った力を加えてしまいます。その力は、わずかではあっても、長時間・長期間にわたると姿勢の歪みを起こし、疲労を蓄積させてしまいます。
体幹部の筋肉と柔軟性が低下してくると、姿勢の歪みにつながることが多いようです。
「ギックリ腰」の痛みは突然襲ってきます。
しかし、姿勢の歪みは長い時間をかけてつくられるのです。
日常のないげない生活動作を意識的に注意すること、そして脊椎だけでなく、その周りの筋肉や靭帯の働きが大切です。
身体のどの部分が弱いのか、どこの柔軟性が低いのか、それは一人ひとり異なります。
この小冊子では、姿勢チェック、簡単体力チェックなどであなたの現状を把握し、「ギックリ腰」予防のより良い方法を紹介しています。
「痛みが出ていないからまだ大丈夫だ。」
そんなあなたにお聞きします。
「姿勢の歪みはありませんか。」
この小冊子が、あなたの日常生活を活力に満ちあふれたものにする道案内になれば幸いです。
財団法人 かながわ健康財団
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